クソブログ

立憲民主サポの自由主義者が政治や財政について語ります。

共産党の「減らない年金」財源は財源にならない。

高齢者の増加と現役世代の減少で年金の調整(減額)が不可避になっています。

マクロ経済スライド」と言ってザックリ説明すると、年金払う現役世代が少なくなったので、賃金や物価と比較した年金の実質的価値を減らしましょうという話です。

共産党はこの「マクロ経済スライド」を廃止すべきと言っています。

上記記事によると基礎年金のスライドを廃止するのに7兆円が必要とありますが問題はその財源です。

共産党の財源案では、「年収1000万円以上のサラリーマン」から取る厚生年金保険料を増額し、それを基礎年金減額停止の財源にするとあります。

しかしそれは年金制度的に不可能かつ不適当なのです。

なぜか。

まず年金の仕組みとして、全国民が払う基礎年金と、サラリーマンだけが払う2階部分の厚生年金があります。サラリーマンの場合は基礎年金も厚生年金も給料天引きで一括して取られていますが、財源としては別々の会計に入ります。

f:id:rikkentaro:20190623200055j:plain

図にするとこんな感じです。

厚生年金はサラリーマンだけが払っているので貰うのもサラリーマンだけです。自営業者は国民年金保険料が定額で安い代わりに給付も基礎年金のみ。これは職業間の公平を考えれば当然ですね。

しかし共産党の財源案では、サラリーマンが払った厚生年金保険料を自営業者の基礎年金財源に流用する、つまり自営業者がサラリーマンの払った保険料を奪うということになり、法律違反はもとより職業差別となります。マルクスが泣いていますね。

 

f:id:rikkentaro:20190623201205j:plain

共産党案ではサラリーマンが払った厚生年金財源が自営業者に取られる!

所得に関わらずどんなに富裕でも月1万円程度の国民年金保険料しか払わなかった自営業者やニートが、高額な厚生年金保険料を払い続けたサラリーマンの厚生年金財源を奪うなんて職業間で不公平な差別じゃないですか。

法的にも公平性としてもメチャクチャな馬鹿政策はいい加減にしていただきたい。

 

※図の出典はhttps://allabout.co.jp/gm/gc/18737/